感情を表現できるってすごく大事
子どもが泣く、怒る、笑う・・・そんな感情の揺れ動きは成長していく過程でとても大切なこと。
6歳になったわが家のチビ太が、泣いたり笑ったり、怒ったりしている様子をみて思った。
泣きたいときは思いっきり泣く、嬉しいときは喜びまくる、怒りたいときには怒る。
そんなふうに、自分の感情を素直に表現できる子どもは、とても健全なんです。
喜怒哀楽は、人間らしさの本質を形作る重要な要素。
泣きたいときは泣けばいい。
笑うときは大きな声で笑えばいい。
怒りたいときは怒ればいい。
私たちはオトナになるにつれ、そんな喜怒哀楽を飲み込んでしまいがち。

親に反抗しないことは、いいことだと思っていた私
タイトルにもあるように、私には反抗期と思われる時期がなく、親に反抗しないことはポジティブなこととしてずっと捉えていた。
でも、自分と向き合うようになって氣づいたんです。
反抗しなかったんじゃなく、反抗できなかっただけだったことを。
私は子どもの頃から、いつも母親の顔色をうかがっていた。
オトナになってからも、常に母の機嫌や氣分に氣を遣っていた。
子どもの頃から、母の機嫌に神経を研ぎ澄ましてきたので、人の機嫌を敏感に察知してしまうという、スキルを身につけてしまった。
怒られないため、悲しませないため、認めてもらうため、日常に波風たてないため・・・。

母親の機嫌察知歴、50年!これぞ職人。
そして氣づいた私の心のクセ
- 相手の顔色ばかり氣にしてしまう
- 周りの空氣を読みすぎて疲れる
- 「NO」が言えない
- 嫌われるのが怖い
- 人に頼るのが苦手
- 自己卑下してしまう



ちなみにそんな心のクセ、今はすべてなくなりました!
空氣は読むものじゃなく、吸うものですから。
そんな心のクセは、反抗期という健全なプロセスを通らなかったことで、内側にたまってしまった感情が作り出したものなんだと私は推測します。
迎えるはずだった反抗期とともに飲み込んだ、そのときの怒りや悲しみが自分の中にずっと留まったままなんです。
嫌なことは嫌、違うことは違うといえることの大切さ。
孫たちが感情をむき出しにしているのをみて、私にはこれができなかったんだろうなぁって、その時の私に寄り添ってみました。
そういえば子どもの頃、なんておとなしい子なの、お家に口を忘れてきたの?ってよく言われてました。



大きな声でよくしゃべり、大声で笑う今の私からはとても想像できない。


反抗期は”私はわたし”と確立する通過点
心理学では、反抗期は「自我の発達」反抗期には第二段階あるとされています。
第一段階は、3歳頃の“イヤイヤ期”
そして次にやってくるのが、思春期の反抗期。
このとき、人は「私は私である」と、自分自身を再確認していきます。
親と自分は、違う人格、違う人間なんだと認識していく。
そうやって意識を切り離していくことが、自立へのステップなんです。
上下の「親と子」という関係から、横の「人と人」という関係へ。
この認識を持つことができて、はじめて本当の意味での“親離れ”ができるのだと思います。
親もまた”子離れ”する必要がある
親は、親であることによって自分の存在意義を見い出していることがあります。
子どもに頼られることで、自分は必要とされていると感じられる。
だから無意識のうちに、子どもの自立を引きとめたくなってしまう。
心では、自立してほしいと思っている。
でも、どこかでいつまでも自分を必要としていてほしいと願ってしまう。
そんな氣持ちが、無意識の言動ににじみ出てしまうことがあります。
たとえば、過剰に心配をする、いつまでも子供扱いしてしまう。
こうして、親も子も、お互いの自立を妨げてしまうことがあるのです。


反抗期は、決裂ではなく再構築のためにある
反抗期というのは、決して親に歯向かうことが目的ではありません。
むしろ、それは人として関係を結び直す機会なんだと思います。
親と子が対等な関係として、新しい関係性を築くための通過点。
反抗できるということは、自分の感情をまっすぐに表現できている証。
そしてその感情に対して、親がどんなふうに向き合い、受けとめられるかがとても大切です。
子どもの感情を受け止め、対話し、ときにはぶつかり合う中で親も子も、新しい人と人の関係を築いていけるのだと思います。
過去の自分と、いま向き合うこと
私は、子どもの頃にできなかった反抗を、いまになってようやく理解できました。
自分の中にある心のクセや思い込みに氣づくたびに、あのときの自分と向き合い直しているのかもしれません。
そして、いま思うんです。
反抗できるって、本当に大切なこと。
自分の感情を、外に出していいというサインだから。
心に閉じ込めてきた感情に氣づくことで、かなりラクになりました。
そしていまは、自分の感情を閉じ込めることも、フタをすることもなくなりました。
相手の機嫌を察知しては、勝手に苦しくなっていた私ももういません。
相手の感情は相手のもの。私が背負う必要なんてないから。
もしいま、お子さんが反抗してきたとしたら。
それは自立の一歩を踏み出そうとしている証かもしれません。
そして、もし昔の自分がそれをできなかったのなら、いまこの瞬間からでも、やり直せます。
まずは、感情を出すことを、自分自身に許してあげましょう。
あのときできなかった分まで、今の自分がしっかり抱きしめてあげればいい。
反抗期は、成長の痛み。
でもその先には、きっと本当の自分との出会いが待っています。

